【連載:スペース・リーダーの現在地(前篇)】「本当に価値のあるものを創り、遺していく」原点とは

2026年7月27日

私たちスペース・リーダー(以下、当社)が手がける物件は、事業用でありながら高いデザイン性を誇り、街の景色を少しずつ変える力を持っています。しかし、その根底にある「想い」を、皆様に深くお伝えする機会はこれまで多くありませんでした。今回スタートするこの連載記事では、当社の現在地と未来を紐解いていきます。
第1回は、野添社長と三谷役員に、私たちの根幹にある「価値あるものを創り、遺す」という哲学の原点を聞きました。

(取材・編集:スペース・リーダー広報)


広報: 野添社長、三谷さんはもともと住居用不動産の業界出身ですよね。スペース・リーダーに入社し、事業用不動産の世界に飛び込んだ際、当時の業界に対してどのような印象を持たれましたか?

野添: 正直に言うと、「これでいいのかな?」という違和感がありました。私たちが住居用不動産の世界にいた30年ほど前というのは、住居用と事業用が今よりもずっと明確にセパレートされていた時代です。当時の住居用マンションは、まさに進化の過渡期。外壁の塗装やタイルの質感へのこだわりはもちろん、RC造の普及で建物の構造にも劇的な変化が起きていました。分譲だけでなく、賃貸マンションにもその「質の向上」の波が押し寄せていたんです。 ところが、いざ事業用の世界に足を踏み入れてみると、そこにあるのは驚くほど無機質な空間ばかり。新築の物件でさえ賃料設定は安く、建物の作りも簡素。「住居と事業で、ここまで差があるのか」と驚きましたね。

広報: 当時は「事業用はそういうものだ」という固定観念が業界全体にあったのでしょうか?

野添: ええ。先輩たちからは「事業用なんてこんなもんだ」と諭されました。「あくまでビジネスのための空間を貸すだけなんだから、雨風が凌げて仕事ができればいい。作りは簡単でいいんだ」と。でも、私はどうしてもその考えに納得がいきませんでした。

この業界に入った当時の事業用物件のあり方に疑問を抱いたのが、今の考えの原点なんです(野添)
この業界に入った当時の事業用物件のあり方に疑問を抱いたのが、今の考えの原点なんです(野添)

広報: その時の「納得がいかない」という違和感が、今の当社の「デザイン性」や「価値あるものを遺す」という哲学にどうつながっていったのでしょう。

野添: 少し経つと、大阪市の西区あたりで、アパレルやデザイン系の会社が徐々にお洒落な自社ビルを建て始めたんです。それを見て「外壁かっこいいな、事業用でもこういうことができるじゃないか」と。気になって自分なりに調べてみたら、デザイナーを入れる分の設計料などは高くなるでしょうが、使っている材料費自体は、一般的な簡素なビルと比べてそこまで跳ね上がるわけではないと気づいたんです。 それに、不動産のライフサイクルを考えてみてください。マンションは40年程度がひとつの区切りになりますが、事業用ビルは50〜60年と、はるかに寿命が長い。街に長く残り続けるものだからこそ、デザインにこだわった物件を作った方が、入居の契約も決まりやすいし、何よりオーナー様に「自分のビルだ」と喜んで誇ってもらえる。時代が経ってピカピカの新品じゃなくなったとしても、優れたデザインならレトロな雰囲気がひとつの「味」になるんです。「価値あるものを創り、遺そう」という私たちの原点は、まさにここにあります。

広報: 最近では、その「事業用」と「住居用」の境界線自体が曖昧になってきているように感じます。現場を見ていて、三谷さんはどう思われますか?

三谷: おっしゃる通りです。私たちが住居用をやっていた頃は、事業用も並行して扱うなんてごく稀でした。しかし今は、当社の『BASE』シリーズや、車と共生するガレージハウスのように、職と住がシームレスに融合した物件が当たり前のように求められています。 さらに、一般の方が投機や資産保有の目的で事業用の投資物件を買ったり、ビルの分譲サービスが登場したりと、事業用不動産に関わるプレイヤーの層が圧倒的に広がりました。個人事業主の方が増えたことで、以前ならつながりがなかった「住居系の不動産会社様」から、『BASE』に借主様をご紹介いただくケースも非常に増えています。

職と住が融合した建物や、投機・資産保有のための事業用物件などのニーズが増えてきていますね(三谷)
職と住が融合した建物や、投機・資産保有のための事業用物件などのニーズが増えてきていますね(三谷)

広報: ユーザーの裾野が広がり、当社の存在意義もさらに大きくなっていますね。

三谷: ええ。様々な目を持ったユーザーとの接点が広がっているからこそ、事業用不動産にはますます高いデザイン性が問われます。そして同時に、私たち自身が「どういう想いでこの建物を創っているのか」を、しっかりと社会に伝えていかなければならないフェーズに来ていると感じます。

広報: 当社の主戦場であり、発信地として「江坂」という街を重視しているのもそのためですよね。

野添: はい。江坂は新大阪駅や空港からのアクセスも良く、緑も豊かで、住んでいる方々も裕福な層が多い。事業を営む人と住む人がうまく混ざり合い、人が集まるからこそ大きなビジネスチャンスが眠っている「北摂の入口」です。 ただ、これだけポテンシャルが高いのに、決して「お洒落でいい物件」が街にあふれているわけではないんです。だからこそ、私たちが江坂からお洒落な事業用不動産を次々と生み出し、価値を発信していく。「あのかっこいい物件、どこがやってるん?」「スペース・リーダーですよ」という会話が街で自然に生まれるようになれば、自ずと相談も集まってきます。すでに取引先からも当社の『BASE』シリーズの評判は非常に良く、追随してくる業者もいますが、私たちは常に一歩先をリードし続ける存在でありたいですね。

当社の理念を体現した事業用ガレージハウス「BASEシリーズ」は11物件にまで拡張(2026年7月現在)
当社の理念を体現した事業用ガレージハウス「BASEシリーズ」は11物件にまで拡張(2026年7月現在)

業界の常識に対する「違和感」からスタートした、スペース・リーダーの挑戦。自社開発物件だけでなく、既存の建物を生まれ変わらせるのも当社の大きな使命です。次回【中篇】では、管理部門の木村役員を交え、近年のプロジェクトでも象徴的だった「ほぼ廃墟の物件再生プロジェクト」の裏側に迫ります。どうぞご期待ください。