【連載:スペース・リーダーの現在地(後篇)】「何でもできる」からこそ採算よりもオーナーの幸福を最優先に

2026年9月18日

スペース・リーダーの連載記事、第3回です。これまで当社の哲学と現場の戦いをお伝えしてきましたが、時代とともに不動産会社に求められる役割は大きく変化しています。今回は、当社が考える「真のコンサルティング」のあり方、そして2028年の分社化と2029年の創業30周年に向けた、組織づくりの展望について、野添社長と三谷役員・木村役員に語ってもらいました。


広報: 昨今、業界全体でサービスが細分化から統合へと向かっています。その中で、当社とオーナー様との向き合い方や、求められる役割はどう変化していると感じますか?

三谷: かつては「賃貸」や「サブリース」といった特定の領域に特化していれば成立していましたが、ここ数年は圧倒的に「総合的な不動産コンサルティング」の能力が求められているという印象を受けます。土地活用から売買まで、あらゆることに関わりながら提案の幅を広げていかないと、これからの時代は生き残っていけません。 前編でもお話しした通り、事業用と住居用を明確に線引きする時代は終わりました。オーナー様からご相談を受けた時に「うちは事業用専門なので、住居用のことはわからないんですよ」と答えてしまっては、提案の幅が狭まるだけでなく、オーナー様にとっての最適解を見つけることができません。当社の拠点である江坂という街の特性上、ひとつの土地に事業用も住居用も両方の可能性がありますから、「どれにしましょうか」と豊富な選択肢を提示できることが重要なんです。

豊富な選択肢を提示できることが、オーナー様の満足につながるわけです(三谷)
豊富な選択肢を提示できることが、オーナー様の満足につながるわけです(三谷)

広報: 私たち自身が「何でもできる」状態を作っておくことが、オーナー様への最大の誠意になるわけですね。

三谷: その通りです。オーナー様に大切な資産を投資していただくにあたって、「この人にとって最も価値のある選択肢は何か」を一緒に考える。それが本来のコンサルティングです。「うちはこれしかできませんから、これをやってください」では、絶対にお客様のためになりません。今、当社は、その方の持つ土地のポテンシャルや、ご自身の人生の考え方に合わせて、最適な選択肢を提示できる状態にあります。 その中でも個人的には、やはり当社の強みである事業用不動産には強くこだわりたいですね。特に『BASE』のように、10年経ったら価値も賃料も下がってしまうようなものではなく、長く価値を保ち続けるものを提案していきたいと考えています。

広報: 選択肢が多いからこそ、私たち提案する側の「スタンス」が問われます。当社が最も大切にしている姿勢は何でしょうか?

三谷: 繰り返しますが、絶対にやってはいけないのは「私利私欲にまみれ、自分たちの会社の都合で提案すること」です。私が野添社長の仕事ぶりを見ていて一番「一目置いている」のがそこなんです。野添は、たとえ当社の利益にならないことであっても、「お客さんにとってそれがベストなのであれば、迷わずそれを提案する」という姿勢を徹底して貫いています。 例えば、お客様自身が気づいていない選択肢として、「これは相続して当社で管理させてもらうよりも、売却してしまった方が絶対にベターですよ」と柔軟にお勧めすることもある。目先の管理手数料を手放すことになっても、です。

野添: たとえその仕事自体が自社の利益にならなかったとしても、「情けは人のためならず」という言葉通り、不思議と必ずどこかで恩返しとして返ってくるんです。別の大きな案件をご紹介いただいたりしてね。仮に恩返しとして返ってこなかったとしても、自分の提案が純粋に誰かのためになれば、仕事としてそれが一番気持ちいいじゃないですか。 日頃からメンバーにもそういう「やりがいのある会社づくり」を心がけてもらっています。「この会社に相談したい」とどれだけ思ってもらえるか。その信頼さえ掴めれば、実際には不動産以外の本当に色々なことを相談していただけるようになるんです。

目の前の仕事で利益につながらなくても、誰かの役に立てれば気持ちいいですよね(野添)
目の前の仕事で利益につながらなくても、誰かの役に立てれば気持ちいいですよね(野添)

広報: 野添社長、今後当社として新たにやっていきたいこと、チャレンジしたい構想はありますか?

野添: 今動いているのは、駅から離れたいわゆる「陸の孤島」のようなエリアでのSOHO(Small Office / Home Office)開発ですね。駅から遠い土地というと、何でもかんでも画一的なマンションを建てがちですが、私たちはもっと住宅街に溶け込むような形で、例えばダンス教室などの習い事もできるスペースを併設した物件を提案しています。 少し派生したアイデアから生まれるものを形にしていきたいんです。街から小さな飲食店や屋台が減ってきているならフードコートのような空間を作ってもいいし、飲食業を志す人のスタートアップの拠点になってもいい。人が困っているところ、不便を感じているところにこそ、私たちのビジネスチャンスがあるはずです。今の『BASE』シリーズは私の発想から生まれましたが、これからは他のメンバーからも、そういった新しい発想がどんどん生まれるような組織にしていきたいですね。

広報: 最後に、2028年に予定されている分社化、そして2029年の創業30周年に向けて、組織づくりの展望をお聞かせください。

三谷: 私がスペース・リーダーの代表を引き継ぎ、木村が管理部門の会社を率いていくことになりますが、私たちの最大の役目は、野添社長個人の力に依存しない「強いチームづくり」と、次の世代へ当社のDNAを繋いでいくことです。取り扱う物件も増えてきているので、自然と人員も増えていくでしょうし、コンサルティングの領域を広げるには、様々な人間の知識が必要になります。 ただ、最初から幅広い不動産知識を持っている必要はありません。提案力やスキルは、現場で働きながら勉強して引き出しを増やしてもらえればいい。私たちが採用で重視するのは、もともとその人が持っている「性格」や「人間性」、そして泥臭く関係を作っていけるかという部分です。

木村: 私たちも若い頃はとにかく現場を駆け回り、ひたすら経験値を積んでいくだけでしたからね。それが気づけば幅広い業務範囲を任されることへとつながっていった感覚です。私も野添社長の仕事ぶりから色々なことを学びましたが、結局は野添のまねごとをしても表層的なものでしかならないので、どれだけ自分のカラーを出せるかが勝負だと思います。

一人ひとりがどれだけ自分のカラーを出せるかがこれからの勝負です(木村)
一人ひとりがどれだけ自分のカラーを出せるかがこれからの勝負です(木村)

野添: 知識を要するコンサルティングの深い部分は、上の人間がしっかりサポートすればいいんです。大切なのは現場で一生懸命に頑張る姿勢。三谷には持ち前の「粘り強さ」がありますから、彼を中心に、会社がこれまで培ってきた力を次の世代へしっかり落とし込んでいってほしい。 2029年に迎える30周年という大きな節目を機に、昔から私たちが大切にしてきた「価値あるものを創り、遺す」という想いを、社内のメンバー全員、そして社会に深くわかってもらえたら、これ以上の喜びはありません。


全3回にわたってお届けした、スペース・リーダーの哲学と未来のビジョン、いかがでしたでしょうか。私たちが掲げる「価値あるものを創り、遺す」という想いはこれからも変わりません。街に溶け込み、オーナー様の幸福を第一に考えるスペース・リーダーのさらなる挑戦に、どうぞご期待ください。

スペース・リーダーのさらなる挑戦に、どうぞご期待ください