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大阪のオフィス市場 賃料上昇傾向に暗雲…

2020年8月31日

大阪駅の目と鼻の先の立地にある阪神電気鉄道と阪急電鉄が共同で建設中の「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」(地上38階建て、延床面積約260,000㎡の超高層ビルは2022年春に竣工予定。)

大阪市内でもかなりの好立地である点から、今までに無い高賃料が期待できるオフィスビルと査定されていましたが、複数のオフィスビル関係者によれば、コロナ前は坪3.8万円前後での成約を目指す話になっていたようです。商業店舗や小規模なオフィス区画を除いては、「大阪市内でこれまで坪4万円に達したオフィスビルはない」のが現状であり、打破できるオフィスビルとして期待されていました。 

しかし、現在の日本中、世界中を蔓延させるコロナ禍で、その期待値にも暗雲が垂れ込め始めました。

オフィスビルを仲介するビル専門不動産業者などの見解では「坪3万円にも届かない可能性が出てきた」との弱音発言が出てきております。

現在、入居者である各社は、政府が支給している特別家賃給付金の制度を有効活用すべく、給付申請を行なっているところがほとんどであり、貸主側に対する賃料交渉も行なわれていないのが実情です。(賃料交渉による賃料減額を行なうと制度上、給付対象金額が少なくなるからです。)

しかし、オフィスビルを仲介するビル専門不動産業者などの見解としては、この特別家賃給付金が支払われる6ヶ月以後に、入居者である各社は、縮小・撤退・統合の動きが活発になり、大阪におけるビル・事業所の空室率が高まるのではないかという推測所見が多数あります。

そうなると、当該ビルは、それでも好立地であるという点を活かすようではありますが、近隣を含む多数の既存オフィスビルの空室率が高まる事となれば、わざわざ新築の高単価オフィスビルを賃借するという動きにならないのではないかという見解です。

いずれにしても、憶測・推測の域ではありますが、これからのオフィス市場は暗雲立ち込める苦難への道が手招きしているように感じ取れます。